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ECD原理

ECDの原理

● デジタル通信でのフェージングについて

車で交信しながら移動運用されている方はいつも経験していると思いますが、移動中は必ずフェージングを伴った電波を受信する事となります。信号待ち等で、数センチ車を移動させるとぐっと信号強度が上がるのを常に経験していると思います。

430MHz帯では電波が反射しやすい性質から、144MHz帯に比べるとフェージングの谷も大きく、ちょうど弱い場所に車が止まった時には全く受信出来なくなる事もあります。

走りながら受信するとザッ、ザッと言う雑音はこのためなのです。走行スピードを上げるとこの周期も短くなり、聴きやすくはなりますが、パケット通信では、1回の送信時間内に起るフェージングの谷の回数も多くなり大問題となります。音声の場合は人間の脳がうまくこの雑音を取り除いて内容を理解できるのでいいのですが、パケット通信の場合はこうはいきません。1ビットの欠落も許されないのです。

図は簡易的にこの状態を絵にしたものです。(山の高さが信号強度)

A,C地点では受信出来ていますが、Bのような谷では受信は困難です。

 

I-1

移動中のパケット通信では1回の送信時間が短いですが、その間完全に電波が受信出来ている必要があります。この図ではAからC地点まで走る間に7回のフェージングの谷があり、ここでデータを取りこぼす事が多いのです。

 ●144MHz帯ではなぜうまく通信できる?

下の図は、144MHz帯でのイメージですが、フェージングの谷も深くなく、山の周期が長い(A地点からC地点までで2つの谷)ので、データ通信には有利です。B地点のようなフェージングの谷でもある程度の信号強度があり、データを復調しやすい特性があります。

I-2

● エラーは避けられないか?

このように1本のアンテナでは必ずフェージングの谷に遭遇します。データが欠落する事は避けられないと言っても過言ではありません。

ここでECDの出番となります。

ECD-3(3系統のECDシステム)の例ですが、車に一定の間隔で3本の(1番,2番,3番)アンテナを設置し、3台の受信機で受信します。

I-3

  • A地点では、1番のアンテナがフェージングの谷に入っており、2番3番のみ受信出来ています。
  • B地点では2番がNGで、1,3番は受信出来ています。
  • C地点では3本のアンテナすべてで電波が受信出来ています。

受信出来ている2系統のデータのみ有効にし、NGな物は切り捨てる方式がECDなのです。上記のA,B,Cどの地点でも復調できるのです。

3本のアンテナ間隔と、フェージングの谷が一致しない限り、正常にデータを受信できるのです。それも各受信機に接続されたモデムにてビット単位で誤り訂正を行います。アンテナ間をあまり離しすぎると、複数のアンテナがちょうどフェージングの谷に遭遇する確率が上がるかもしれませんが、3系統のECDでも2本のアンテナが谷に入る確率はかなり少ないと思います。

このようにして3系統のECDでは3本のうち1本のアンテナで受信出来なくても正常なデータが得られます。

5系統のECDでは2本のアンテナに受信出来てくても正常なデータが得られます。

 

今回は解りやすいように移動局での説明ですが、これを基地局に使っても同じで、通信相手が移動している環境では、大変有効に働くのです。

 

430MHz帯だけでなく、144MHz帯において使用した場合も、深いフェージングの谷に遭遇した場合に有効に働きます。

こので紹介した内容だけが、エラーの原因ではありませんが、色々な状況下でのエラーを訂正できる能力があるのです。

 

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